京都大学 ウイルス・再生医科学研究所

エボラウイルスのヌクレオカプシドの分子構造

William Wan1, Larissa Kolesnikova2, Mairi Clarke1, Alexander Koehler2, Takeshi Noda3, Stephan Becker2, John A. G. Briggs1,4

1欧州分子生物学研究所(ドイツ・ハイデルベルク)、2フィリップ大学マールブルク(ドイツ・マールブルク)、3京都大学ウイルス・再生医科学研究所、4MRC分子生物学研究所(イギリス・ケンブリッジ)

Structure and assembly of the Ebola virus nucleocapsid

Nature 2017, doi:10.1038/nature24490

概要

フィロウイルス科に属するエボラウイルスは、マイナス鎖一本鎖RNAをゲノムとして持ち、フィラメント状のウイルス粒子構造を示します。エボラウイルスはヒトを含む霊長類に高い病原性を示し、近年の西アフリカにおけるアウトブレイクでは、28,000名以上が感染し11,000名以上の方が亡くなりました。本研究では、エボラウイルスゲノムの転写・複製を担うヌクレオカプシドの分子構造を明らかにするために、クライオ電子線トモグラフィー法およびサブトモグラムアベレージング法により、エボラウイルス粒子内に取り込まれたヌクレオカプシドの分子構造を約9Aの分解能で決定しました。本研究の成果により、ヌクレオカプシド形成機構の詳細が構造学的に明らかになりました。
本研究はMRC分子生物学研究所、欧州分子生物学研究所、フィリップ大学マールブルクとの共同研究による成果です。
(左)エボラウイルスのヌクレオカプシドの分子構造。ピンクは1つのサブユニットを示す(中)ヌクレオカプシドの拡大図。青とシアンはNP、紫とオレンジはVP24、黄色はRNAを示す。(右)ヌクレオカプシドを構成する1つのサブユニット。青とシアンはNP、紫とオレンジはVP24、黄色はRNAを示す。