京都大学 ウイルス・再生医科学研究所

Regnase-1とRoquinは個別にTh1分化を制御し、心臓における炎症と線維化を抑制する

Xiaotong Cui1,三野 享史1,吉永 正憲1,中塚 賀也1,Fabian Hia1,山岨 大智1,辻村 亨2,朝長 啓造1,鈴木 穣3,植畑 拓也1,竹内 理1

(1京都大学ウイルス・再生医科学研究所,2兵庫医科大学,3東京大学大学院新領域創成科学研究科)

Regnase-1 and Roquin Nonredundantly Regulate Th1 Differentiation Causing Cardiac Inflammation and Fibrosis

J. Immunol. November 10, 2017, ji1701211
DOI: https://doi.org/10.4049/jimmunol.1701211

概要

獲得免疫細胞であるT細胞の異常な活性化は、自己免疫疾患などの発症につながることから、その活性は、さまざまな機構で厳密に制御されています。中でも、mRNA分解は、免疫細胞活性化に関わるタンパク質を作るmRNAの量を調節することにより、T細胞の活性化を制御します。我々は、mRNA分解を調節するタンパク質 Regnase-1 とRoquin  は自然免疫細胞で、炎症に関わるmRNAを異なる機構で分解し、自然免疫細胞の活性化を調節しすることを見出してきました。本研究では、Regnase-1 とRoquin はT細胞の活性化抑制にも重要であり、T細胞でRegnase-1 とRoquin を欠損するマウスが、T細胞でRegnase-1 やRoquinのそれぞれを欠損するマウスと比較して重篤な炎症と特に心臓における線維化をおこすことを見出しました。このマウスではTh1分化も亢進しており、Regnase-1 とRoquin は Furin や Il12rb1 などをコードするmRNAを分解する事でTh1細胞への分化を抑制していることが明らかとなりました。これらの結果は、Regnase-1 とRoquin が同じmRNAを個別の機構で分解することで、T細胞活性化を制御していることを示しています。本研究はT細胞の活性化を調節することで、免疫系の恒常性を維持する新たな機構を明らかにしました。