京都大学 ウイルス・再生医科学研究所

第24回東アジア医科学国際シンポジウム/京都大学ウイルス・再生医科学研究所開設記念シンポジウムを開催しました。 The 24th East Asia Joint Symposium on Biomedical Research/Commemorative Symposium for “Institute for Frontier and Medical Life Sciences, Kyoto University”

2017年10月16日〜19日の日程で、第24回東アジア医科学シンポジウムと京都大学ウイルス・再生医科学研究所(INFRONT)開設記念シンポジウムのジョイントシンポジウムが滋賀県大津市の琵琶湖ホテルで開催しました。
  東アジア医科学国際シンポジウムは東アジア諸国の医科学の交流・発展を目指して1994年より毎年開催されており、今回で24回目を迎える伝統ある国際会議です。本シンポジウムは、東アジア諸国において先導的役割を果たしている研究機関から中核的研究者及び若手研究者が参加し、医科学や高次生体機能関連分野から基礎生物学までに亘る広い研究領域を対象とした諸問題について、最新の研究成果を報告するもので、毎回きわめて多様な視点からの最新の成果報告と熱心な議論が行われています。これまで、一部の参加研究機関を変えつつ毎年開催されてきましたが、本年は、中国から中国科学アカデミー上海生物科学研究所、韓国からソウル国立大学分子生物学遺伝学研究所並びにSoonchunhyang大学Soonchunhyang医生物科学研究所、台湾から台湾国立大学生化学分子生物学研究所並びに台湾師範大学生命科学科、そして日本から京都大学ウイルス・再生医科学研究所、東京大学医科学研究所、沖縄科学技術大学院大学の7研究機関が参加しました。また、今回は本東アジア医科学国際シンポジウムとの合同開催として、平成28年10月にウイルス研究所と再生医科学研究所が統合により発足したウイルス・再生科学研究所の設立記念シンポジウムを開催しました。16日夜には、本ジョイントシンポジウム参加者を迎えてウエルカムレセプションが同ホテルで開かれ、旧交を温め、また新たに知遇を得て和やかに歓談し、翌日からのシンポジウムに向けて期待を高めました。
 東アジア医科学国際シンポジウムの初日(17日)は、12名の中核研究者が、がん抑制、テロメア機能と老化との関わり、幹細胞増殖機構、がん治療、アポトーシスにおけるシグナル伝達など、細胞生物学、がん生物学、シグナル伝達等に関する12題の口演を行いました。翌18日の第2日目も、1日目と同様12名の研究者が、RNAウイルス由来の内在性配列の解析、免疫系細胞の分化や機能の解析、目のレンズの形成機構、神経発生におけるRAS様小GTPaseの役割など、微生物学、免疫学、神経科学、発生生物学についての発表がありました。
 本シンポジウムは若手研究者の交流や育成を一つの主眼としており、1日目、2日目とも15名ずつ、計30名の博士研究員や大学院生等若手によるショートトークとポスター発表も行われました。若手研究者の発表の中から、各国中核研究者の投票により、優秀発表賞3名(中国1名、韓国1名、台湾1名)が選ばれ、18日夜に行われた食事会において表彰されました。これらは、マクロファージ機能に関わる小胞体局在E3ユビキチンリガーゼの発見、Telomerase非依存的なテロメア維持機構、及びヒト構造生物学に基づいたcaspase活性化機構等に関する研究で、何れも科学的意義の高いものでした。表彰者には、金一封とともに、本シンポジウムで毎回助成を頂いているトミー精工より、賞品が進呈されました。このような表彰により、若手研究者が励まされ、将来の生命科学を背負う人材へと成長する一助となれば大変嬉しく思います。
 中国を初めとする近年の東アジア諸国の生命医科学研究の進展は目を見張るものがありますが、今回も若手研究を含めて多岐に亘るテーマで極めて質の高い成果の発表がなされました。日本から参加者の研究も含めて本シンポジウムが先端的な成果を共有し、また研究機関同士の連携を深めて東アジア地域の生命科学研究の益々の発展に役立つものと強く感じました。
 19日には、京都大学ウイルス・再生医科学研究所開設記念シンポジウムが行われ、ウイルス研究所元所長の松岡雅雄博士(現熊本大学)、再生医学研究所元所長の坂口志文博士(現大阪大学)、Iwasaki Akiko博士(米国・エール大学)及びAxel Kalies博士(オーストラリア・メルボルン大学)の講演が行われました。松岡博士は、I型T細胞白血病ウイルスによる発病機序について、坂口博士は制御性T細胞による免疫制御についての講演をされ、また、Iwasaki博士はジカウイルスの感染・発病におけるインターフェロインの役割について、Kallies博士は非リンパ組織における制御性T細胞の制御について最新の成果を講演されました。松岡博士、坂口博士の研究の多くはそれぞれウイルス研究所、再生医科学研究所で実施されたものであり、外部講演者2名の講演と合わせて、新研究所が引き続き推進していくウイルス学研究並びに再生医科学研究について最新の話題を紹介するものでした。さらに所長から、母体となった両研究所の長所を生かしつつ新たな生命医科学分野の開拓を目指すという、新研究所の目指す方向性も説明されました。
 ウイルス・再生医科学研究所開設記念シンポジウム終了後の19日午後、海外からの参加者を中心に約20名がウイルス・再生医科学研究所と隣接する iPS 細胞研究所(CiRA)を訪れ、実験施設を見学しました。また、翌日には希望者は有料の京都観光を行いました。何れも参加者には好評だったようです。
 本ジョイントシンポジウムは大変有意義な会となりました。京都大学研究振興財団からの御助成に心から感謝いたします。
      シンポジウム参加者グループ写真

                                      所長挨拶

                                      副所長挨拶

             東アジアシンポジウム口演・質疑風景

                            ポスターセッション

                             若手研究者表彰

                                 シンポジウム抄録集

             統合記念シンポジウム招待講演者

       食事会