薬剤耐性大腸がん細胞の標的となる遺伝子のCRISPR-Cas9 スクリーニングによる探索

京都大学大学院
医学研究科
クリニカルバイオリソース研究開発講座

井上 正宏

増殖の遅い細胞が薬剤耐性持続性(DTP)細胞として薬剤耐性の本質であることが明らかにされつつあるが、未だにDTP細胞を標的とした治療の開発に成功した例はない。最近、我々はヒト大腸がんが、増殖能や薬剤感受性が異なるが、互いに転換可能な亜集団から成ることを明らかにし、細胞増殖の遅い亜集団を分離・培養することに成功した。本研究では、増殖の遅い大腸がん細胞亜集団でCRISPR-Cas9 スクリーニングを実施し、候補遺伝子の標的可能性をオルガノイドおよび移植腫瘍で検討する