血液細胞の進化的起源の追究

県立広島大学生物資源科学部生命環境学科

菅 裕

動物の血液細胞の中でも貪食作用を担うマクロファージは無脊椎動物にも存在し、最も「原始的」な血液細胞とされている。最近、その分化にはCEBPαという遺伝子が関わっていることが明らかにされた。本研究では、動物に近縁な単細胞生物Capsasporaを用い、CEBPαが、動物多細胞前から細胞の貪食性や移動性の制御にかかわっていたのではないかという仮説を、遺伝子ノックアウトやノックダウンを通じて検証する。