京都大学 ウイルス・再生医科学研究所

第1307回 Th2型免疫応答における樹状細胞サブセットの役割

日時: 2019年8月9日 15:00~16:00
場所: 京都大学 ウイルス再生研2号館(旧ウイルス研本館) 1階 セミナー室
演者: 隈本洋介 博士(薬学)
Center for Immunity and Inflammation and the Department of Pathology, Immunology and Laboratory Medicine, Rutgers New Jersey Medical School, Newark, NJ
演題: Th2型免疫応答における樹状細胞サブセットの役割

講演要旨

樹状細胞 (DC) はその表現型により様々な亜集団に分類され、各々のDC亜集団が異なるタイプの免疫応答を誘導する。定常状態のマウス皮膚には3種類の主要なDC亜集団が存在し、それぞれ表皮ランゲルハンス細胞 (LC: CD207+CD103CD11b+)、真皮CD103+DC (CD207+CD103+CD11b) および真皮CD11b+DC (CD207CD103CD11b+)として知られる。これらの皮膚DC亜集団はいずれも高い遊走性を示し、抗原曝露時には所属リンパ節 (dLN) へ遊走してT細胞に抗原を提示する。このうちLCは真菌感染時のTh17型エフェクターCD4T細胞の分化に、またCD103+DCはウィルス感染時のCD8T細胞の分化に重要であることが示されているが、一方CD11b+DCは亜集団内の多様性に富みその機能については不明な点が多い。以前に我々は真皮CD11b+DCの大部分がC型レクチンCD301b (Mgl2)を特異的に発現することを見出し、生体内でCD301b陽性細胞を除去できるMgl2-DTRマウスを作製した。Mgl2-DTRマウスではアレルゲンであるパパインや寄生虫N.brasiliensisに対するTh2細胞の分化が特異的に抑制される一方、濾胞性T細胞 (Tfh) の分化が促進されることにより抗原特異的IgGの産生量が増加する。今回我々はMgl2-DTRマウスに加えて新たに作製したMgl2-Creマウスを用いて、CD301b+DCによる抗原提示が 抗原特異的CD4T細胞のプライミング効率を上げるとともにTh2への分化を誘導することを明らかにした。これらの結果はCD301b+DCがCD4T細胞の運命決定に深く関わっていることを示唆するものである。

(参考文献:Kumamoto Y., et al., eLife, 2016; Kumamoto Y., et al., Immunity, 2016; Kumamoto Y. et al., Immunity, 2013)

 

(演者紹介)

隈本先生は東京大学薬学系研究科(入村達郎教授研究室)で博士号を取得後、米国Yale大学医学部Department of Immunobiology(岩崎明子教授研究室)で研究員をされ、2017年からは米国Rutgers州立大学医学部においてAssistant Professorとして研究室を主宰されています。是非ご来聴下さい。

(言語:日本語 / Language : Japanese)

 

 

主 催 京都大学ウイルス・再生医科学研究所
連絡先 分子遺伝学分野 岡部 泰賢

(TEL:075-751-4032)