京都大学 ウイルス・再生医科学研究所

所長挨拶

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京都大学ウイルス・再生医科学研究所 所長
小柳義夫

生物学で教わる進化現象を人間社会でも見出せるかもしれません。京都大学の生命医科学分野の研究所であるウイルス研究所と再生医科学研究所は、平成28年10月に組織統合し、「ウイルス・再生医科学研究所」という新研究所として発足しました。私たちは研究所が「進化」したと考えています。もちろん進化現象は、「種の起源」というダーウィンがその本の中で書いているように、ある目的のために起きるイベントではありません。しかしながら、私たちは、この組織統合がイノベーションの発展につながると考えています。
1956年設立のウイルス研究所は、成人T細胞性白血病(ATL)の原因ウイルス(HTLV)の発見に代表されるウイルス感染症研究のみならず、本邦の分子生物学の黎明期を牽引してきました。一方、1998年発足の再生医科学研究所は、ヒト胚性幹細胞(ES細胞)の樹立や人工多能性幹細胞(iPS細胞)の発見、制御性T細胞の発見と再生医学に革新的な基盤を確立してきました。その臨床応用は目前にきています。
本研究所は「ウイルス感染症・生命科学先端融合的共同研究拠点」と「再生医学・再生医療の先端融合的共同研究拠点」として、全国の研究者の活動支援を行ってきました。これらの活動とともに、再生医学やウイルス学に加え、幅広い基礎生命医科学における独自の研究活動をこれまで行ってきました。さらに、これまで行われてこなかった新分野を展開させてゆく強い意志をもっております。
現代社会では急速なグローバル化が進み、科学研究領域は日々進歩し、魅力的であると同時に気の抜けない状況になりました。 人知という財産を得るための科学研究ならびにその推進を担う人材の育成という役目をわれわれ大学研究所は担っています。再生医学やウイルス学に限らず、人類に貢献する医学生命科学研究を実行する研究組織としての使命を果たすべく、私どもは日々努力を続けています。みなさまのご支援をお願い申し上げます。

平成30年4月

ウイルス・再生医科学研究所長 小柳義夫