2020年1月6日 ErbBシグナル伝達系の不均一応答に関する網羅的数理モデルの構築 |
日時: | 2020年1月6日(月)13:30~ |
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場所: | 京都大学ウイルス再生研2号館 (旧ウイルス研本館)1階セミナー室(107) |
演者: | 井元 宏明 氏 大阪大学 蛋白質研究所 細胞システム研究室 |
演題: | ErbBシグナル伝達系の不均一応答に関する網羅的数理モデルの構築 |
講演要旨
ErbB受容体シグナル伝達系は,がんの悪性化などの細胞運命の決定に重要であるが,そのネットワーク制御の全容は明らかになっていない.また,この受容体シグナルはがん細胞種ごとに異なる活性化ダイナミクスや増殖応答を生み出すことがこれまでに示されているが,そのメカニズムに関しては,未だ十分な理解がなされていない.こうした細胞間におけるErbBシグナルの差異を生み出す原理を定量的に明らかにするために,私たちは新しいモデリングプラットフォームを構築した.具体的には,これまで先行研究で個別に構築されたシグナル伝達経路(Birtwistle at al. Mol. Syst. Biol. 2007)と遺伝子調節ネットワーク(Nakakuki et al. Cell 2010)のプロセスを統合することにより,受容体から核内反応までを含む,包括的な数学モデルを構築した.次に,このモデルを用いて,モデルのパラメータを細胞株ごとに最適化し,それらの感度を比較することで,細胞種特異的な支配的反応の同定を試みた.本セミナーでは,開発したモデリングツールBioMASS(https://github.com/okadalabipr/biomass)と構築した数理モデルにおける感度解析の結果,さらに感度係数を平均ではなく個別のパラメータセットで可視化することで見出された,感度がばらつく反応群とパラメータの値によらずロバストな反応群について紹介する.
(言語:日本語 Language: Japanese)
主催 | 京都大学ウイルス・再生医科学研究所 |
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世話人 | 数理生物学分野 望月 敦史(TEL:075-751-4612) |