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2019年07月10日
ウイルス研究の潮流シリーズセミナー:単純ヘルペスウイルスによる核膜通過の分子機構
日時: 2019年7月10日 (水)16:00~17:30
場所: 京都大学ウイルス再生研2号館 (旧ウイルス研本館)1階セミナー室
演者: 有井 潤 先生 (東京大学医科学研究所 ウイルス病態制御分野 助教)
演題: 単純ヘルペスウイルスによる核膜通過の分子機構

講演要旨

単純ヘルペスウイルス(HSV: herpes simplex virus)は、我々人類にとって、もっとも身近に存在を認識できるウイルスといえるかもしれない。HSVは口唇ヘルペスの原因となるだけでなく、脳炎など多様な疾患をヒトに引き起こす、医学上重要なウイルスである。またHSVは、ヒトに対して終生続く潜伏感染を成立させ、度々再活性化を引き起こす。このため、ヒトは長い人生の大半を、HSVとともに歩んでいるといえる。

HSVは、核内でゲノム複製を行い、細胞質において成熟粒子を形成するエンベロープウイルスである。このため、核内で形成されたカプシドは、核膜孔に依存せず、また核膜を破綻させることなく核外輸送され、細胞質に至る。本発表では、HSVカプシドが、核膜を乗り越え、細胞を破壊することなく子孫ウイルスを形成する分子機構について、最新の知見を紹介したい。

(言語:日本語 Language: Japanese)

主催 京都大学ウイルス・再生医科学研究所
世話人 RNAウイルス分野 朝長 啓造(TEL:075-751-4034)