2019年06月17日 理論生物学セミナー |
日時: | 2019年6月17日(月)13:30~ |
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場所: | 京都大学ウイルス再生研2号館 (旧ウイルス研本館)1階数理生物学分野セミナー室(107) |
演者: | 横田 宏 氏 理化学研究所 数理創造プログラム/ 京都大学 ウイルス・再生医科学研究所 |
演題: | 高分子結晶化における核生成理論と コンフォメーションエントロピー |
講演要旨
高分子の融液 (溶媒のない液体)から作られる固体は, 粒子が周期的に並ぶ結晶領域と粒子が空間的に無秩序に配置されたまま固まったガラス領域とが混在した複雑な構造を持つ. このような複雑な構造や構造形成の動力学に関する数多くの研究が報告されてきた.
結晶化過程に関する研究の中でも, 結晶化の初期に着目し, 結晶核 (結晶の子供)が現れる機構を説明する理論 (核生成理論)がLauritzenとHoffmanによって提案された. この理論モデルでは, 円柱型の結晶核が現れる前後での自由エネルギー差を計算し, 安定して成長できる最小の結晶核 (臨界核と呼ぶ)に関する情報を得る. ところが, この理論には高分子鎖の形の自由度 (コンフォメーション)が明示的には入っていないため, コンフォメーションが臨界核に与える影響を議論できないという問題点がある.
我々は, コンフォメーションを明示的に導入した核生成理論を構築した. 本発表では我々が構築した核生成理論の詳細とコンフォメーションが臨界核に及ぼす影響について議論する.
(言語:日本語 Language: Japanese)
主催 | 京都大学ウイルス・再生医科学研究所 |
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世話人 | 数理生物学分野 望月 敦史(TEL:075-751-4612) |