2019年02月22日 第1302 回 万能インフルエンザワクチンの開発を目指して |
日時: | 2019年2月22日 16:00~17:30 |
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場所: | 京都大学 ウイルス再生研1号館 1階共同セミナー室3 |
演者: | 久保 允人 教授 東京理科大学 生命医科学研究所 分子病態学部門 理化学研究所生命医科学研究センター サイトカイン制御研究チーム |
演題: | 万能インフルエンザワクチンの開発を目指して |
講演要旨
インフルエンザは経気道から体内に侵入して、気道上皮細胞や肺で爆発的に増殖することで時に重篤な肺炎症を起こしヒトを死に至らしめる。国の健康・医療戦略における医療分野研究開発推進計画の達成目標の一つとして、2030年を目標とした万能インフルエンザワクチンの開発が掲げられている。インフルエンザに対して最も有効とされるワクチンは、防御可能な交差防御抗体を誘導することにあるが、現行使われている不活化ワクチン・スプリットワクチンは、強い中和活性を有するが広域中和活性を持たない欠点をもつ。これに対し、経鼻からの生ワクチンの導入は、鼻咽頭関連リンパ組織や気道・肺に誘導することで、感染防御に有効性が高く、かつこれらは広域中和活性が高いと考えられている。
我々が用いているH1N1ウイルス株のマウスモデルでも、生きたウイルスを経鼻導入してウイルスが増殖したときにのみは、広域反応性IgG防御抗体が誘導される。これに対し、型特異的なIgG防御抗体はウイルス抗原が存在すれば、胚中心の関与無しに誘導できることから、広域防御活性を有するIgG抗体を誘導するためには、2次リンパ組織内でT細胞とB細胞が協調する「抗体産生の場:胚中心」とウイルス自体がホストの中で増殖する過程が必要とされる。本講演では、ウイルスに対する獲得性免疫系の構築について、濾胞性ヘルパーT(TFH)細胞を効率よく誘導するペプチドワクチンの開発も含めた我々の最近の知見を紹介したい。
(言語:日本語 / Language : Japanese)
主 催 | 京都大学ウイルス・再生医科学研究所 |
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連絡先 | 免疫制御分野 生田宏一
(TEL:075-751-4012) |