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2018年11月27日
第1298 回 哺乳類における器官再生現象
日時: 2018年11月27日 11:00~12:30
場所: 京都大学ウイルス再生研3号館 (旧再生医科学研究所 東館)5階 ルーフテラス 
演者: 伊藤 真由美 博士
Associate Professor
The Ronald O. Perelman Department of Dermatology
Department of Cell Biology, New York University School of Medicine
演題: 哺乳類における器官再生現象

講演要旨

再生能力が限られた哺乳類であっても、皮膚は非常に高い再生能力を示す。最も顕著なのは、毛を作る毛包組織の再生現象である。 毛包組織は、上皮-間充織の相互作用で完成する複雑な器官であるにも関わらず、定期的に退縮、再生を繰り返す。 このような再生能力は、毛包に存在する幹細胞により維持されている。また、マウスでは傷などにより毛包が失われた際にも、幹細胞を含めて毛包全体を再生することができる。この過程では、毛包発生過程を司る遺伝子が再活性化することが示されている。最近の研究で、この過程がどのように創傷治癒のメカニズムと相互作用するのかが明らかになりつつある。一方、哺乳類は、肢を切断した後に、元通りに再生することはできない。なぜ毛包のように、胎児期のようなプログラムを誘導して失われた部分を再生できないのだろうか。胎児における器官形成では、多くの異なる器官が似たような分子機構を共有している。組織を失った後の再生過程ではどうだろうか。我々のグループでは、毛包再生の研究を肢の再生の研究に応用することを目指す研究も並行して行なっている。今回の講演では、このような試みから得られた知見について論じたい。

(言語:日本語 / Language Japanese)

 

主 催 京都大学ウイルス・再生医科学研究所
連絡先 組織恒常性システム分野 豊島 文子 (TEL:075-751-4015)