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2018年07月04日
ウイルス研究の潮流シリーズセミナー: 骨代謝制御の中核因子RANKL の機能とその臨床応用
日時: 2018年7月4日 (水)16:00~17:30
場所: 京都大学 ウイルス再生研2 号館 (旧ウイルス研本館)1 階セミナー室
演者: 高見 正道 教授 (昭和大学歯学部 歯科薬理学講座)
演題: 骨代謝制御の中核因子RANKL の機能とその臨床応用

講演要旨

TNF ファミリーに属するRANKL(receptor activator of NF-kB ligand)は、破骨細胞の分化誘導因子であると同時に、樹状細胞の活性化や腸管M 細胞の分化、体温中枢調節など、生体恒常性維持に必要な複数の役割を担うことが知られている。RANKL を標的として開発された抗RANKL 抗体製剤デノスマブは強力な骨吸収抑制作用をもち、骨粗鬆症などの骨疾患治療に使用されているが、この抗体製剤が骨以外の免疫や組織にいかなる影響を及ぼすのか不明である。我々が妊娠マウスに抗RANKL 抗体を投与したところ、外見上異常のない新生仔が出生したが、24 時間以内にすべて死亡した。また、この母マウスでは乳腺の発達異常が認められるなど、抗RANKL 抗体を投与することで生じる異常から、RANKL の未知の機能が推察できる。本セミナーでは、RANKL の発見から抗体製剤に到るまでの概略と、RANKL 機能の解明に向けた我々の取組みについて紹介したい。
(言語 日本語)

 

 

 

主 催 京都大学ウイルス・再生医科学研究所
連絡先 分子遺伝学 藤田 尚志(TEL:075-751-4031)