2018年11月09日 第1295回 Hippoシグナル標的分子YAP/TAZの機能制御機構 |
日時: | 2018年11月9日 16:00~17:00 |
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場所: | 京都大学ウイルス再生研2号館1階セミナー室 |
演者: | 畠山 昌則 博士 (東京大学医学系研究科 微生物学分野) |
演題: | Hippoシグナル標的分子YAP/TAZの機能制御機構 |
講演要旨
細胞密度の増加に依存して活性化されるHippoシグナル経路の不活化標的分子である知られるYAPならびにそのオルソログTAZは細胞質ー核間をシャトルする転写コアクティベーター (Coactivator)として知られ、YAP/TAZの質的・量的異常はがんに代表される様々な疾患発症に深く関わる。YAPならびにTAZは多くの生物学的機能重複を示す一方で、各々の分子に特有の生物活性が存在することも知られている。しかしながら、その背景となる分子機構は十分に明らかにされていない。我々は最近TAZならびにYAP が核内足場タンパク質Parafibrominと物理的複合体を形成することを見出した。ParafibrominはTyr290、Tyr293ならびにTyr315が、PTK6/Brkによりチロシンリン酸化されSHP2 により脱リン酸化される。興味深いことに、TAZはチロシン脱リン酸化型Parafibrominと特異的に結合することでその転写調節活性が増強するのに対し、YAP はチロシンリン酸化型Parafibrominとの結合を介してのみ転写機能が活性化される。すなわち、Parafibrominはそのチロシンリン酸化状態に応じて、YAPならびにTAZの転写コアクティベーター活性を相互排他的に制御する分子であることが明らかとなった。YAPならびにTAZが示す固有の生物活性発現において、チロシンリン酸化ー脱リン酸化依存的なParafibrominとの複合体形成が関与する可能性が示唆される。一方、我々は最近、Hippoシグナル経路の活性化に関わる新たなリガンド分子を発見した。本講演では、この新規リガンドによるHippoシグナル経路の活性化機構についても言及したい。
(言語:日本語 / Language:Japanese)
主 催 | 京都大学ウイルス・再生医科学研究所 |
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連絡先 | ウイルス制御分野 松岡 雅雄・安永 純一朗(TEL:075-751-3986) |