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2026年9月24日
【2nd Aging and Infection Control Seminar】麻疹ウイルスを利用した医療用ツールの開発
日時: 2026年9月24日(木)14:00~15:00
場所: 医生物学研究所 医生研1号館1階会議室(134室)
Conference Room (Room 134), 1st Floor, Bldg. No.1
演者: 藤幸 知子 准教授
帝京大学・先端総合研究機構
演題: 麻疹ウイルスを利用した医療用ツールの開発

講演要旨

ウイルスは病原体として恐れられることが多い存在である。しかし近年では、がん細胞
に感染・増殖して細胞死を引き起こす腫瘍溶解性ウイルスが、既存の治療法とは異なる作
用機序に基づく新しい治療法として期待され、がん治療における新たなツールとしての開
発が急速に進んでいる。
我々が開発中の麻疹ウイルス(Measles virus; MV)は、本来は麻疹(はしか)を引き起こす
病原性ウイルスである。MV 野外株が宿主細胞に感染する際に使う受容体にはsignaling
lymphocytic activation molecule (SLAM)やNectin-4/PVRL4 (poliovirus receptor-related protein 4)
の2つが知られている。病原性発揮に寄与するのは免疫細胞に発現するSLAM であるた
め、SLAMとの結合能を失わせることで病原性を失う。一方のNectin-4は、様々な腫瘍で
の発現亢進や腫瘍の悪性度との関連が報告され、腫瘍マーカーや治療標的となる分子であ
る。我々は、逆遺伝学的手法を用いてSLAMとの結合能を失わせた弱毒化組換えMVの社
会実装を目指している。非臨床研究を経て現在は医師主導治験の実施に至っている。
MV はワクチンベクターとしても有用であり、我々は新興感染症に対する新規ワクチン
の開発も進めている。
本セミナーでは、医療用ツールとしてのウイルスの有用性を紹介するとともに、アカデ
ミアでの実用化研究の現状と課題についても議論したい。

AIC Seminar_flyer_format_260924

Host:
老化感染制御学分野 教授 中台 枝里子
Eriko Kage-Nakadai, nakadai[@]infront.kyoto-u.ac.jp