2022年12月19日 【ウイルス学の潮流セミナー2022】モノネガウイルスの mRNA 生合成機構 |
日時: | 2022年12月19日(月)16:00~17:30 |
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場所: | 京都大学医生研 3 号館 3 階セミナー室(312 室) 3F Seminar room (312), Bldg. #3 of Institute for Life and Medical Sciences (LiMe) |
演者: | Dr. Tomoaki Ogino, PhD Associate Professor of Dept of Medical Microbiology and Immunology, College of Medicine and Life Sciences, University of Toledo, OH USA |
演題: | モノネガウイルスの mRNA 生合成機構 |
講演要旨
狂犬病、麻疹、エボラなどのモノネガウイルスは、非分節マイナス鎖 RNA をゲノムとしてもつ。ゲノム上にタンデムに連なった遺伝子は、L タンパク質とその補助因子からなる RNA 依存性 RNA ポリメラーゼにより、キャップ構造とポリ(A)鎖をもつ mRNA へと転写される。我々はこれまで、モノネガウイルスのプロトタイプであるウシ水疱性口内炎ウイルス (VSV) をモデルとして用いて、多機能酵素である L タンパク質の mRNA 生合成における役割を分子レベルで明らかにすることを試みてきた。その中で、L タンパク質が宿主真核細胞とは異なる機構でmRNA キャッピングを触媒すること、その反応を担う酵素ドメインがウイルス増殖に必須であり、モノネガウイルスで高度に保存されていることを見出した。さらに、L タンパク質のキャッピング酵素ドメインが、同一ペプチド鎖上に存在するポリメラーゼドメインによる転写開始、伸長、および終結反応を制御する重要な機能をもつことを明らかにした。本セミナーでは、mRNA 鎖伸長反応と共役した mRNA キャッピング、キャップメチル化、およびポリアデニル化反応を解析した我々の最近の研究成果を紹介し、モノネガウイルス特有の mRNA 成熟化機構について議論したい。
(開催言語:日本語 Language: Japanese)
主催:JSPS 研究拠点形成事業 Core–to–Core Program「時空間ウイルス学の国際拠点形成拠点」
共同利用・共同研究拠点「ウイルス・幹細胞システム医生物学共同研究拠点」
世話人:京都大学医生物学研究所 RNA ウイルス分野 朝長啓造(Tel:075–751–4034)