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採択課題の研究成果【令和4年度】

研究代表者:
北海道大学大学院薬学研究院 生体分子機能学研究室 教授 前仲 勝実
医生研受入教員:
ウイルス制御分野 教授 橋口 隆生
研究課題:
SARS-CoV-2を制御する中和抗体開発に向けた分子基盤の解明
研究成果:
精製Spike蛋白質を活用して、生物物理学的解析や構造生物学的解析を取り入れた治療薬候補分子の絞込や標的蛋白質の詳細な解析を行った。オミクロン株を含む多くのSARS-CoV-2変異株に対して高い中和活性を持つヒト抗体を取得して、その作用機序を構造解析により詳細に解明した。またBA.2.75株のACE2受容体認識機構の解明に成功した。
研究代表者:
京都大学医学部医学研究科 免疫細胞生物学 教授 上野 英樹
医生研受入教員:
ウイルス制御分野 教授 橋口 隆生
研究課題:
COVID-19における新型コロナウイルスS蛋白特異的T細胞の解析
研究代表者:
University of Toledo Associate Professor Tomoaki Ogino
医生研受入教員:
RNAウイルス分野 教授 朝長 啓造
研究課題:
Molecular mechanisms of RNA biosynthesis by Borna disease virus RNA polymerase
研究代表者:
岐阜薬科大学薬学部 教授 檜井 栄一
医生研受入教員:
RNAウイルス分野 助教 北畠 真
研究課題:
アミノ酸シグナルによる運動神経細胞の恒常性維持機構の解明に関する研究
研究代表者:
京都大学 大学院医学研究科 准教授 野村 紀通
医生研受入教員:
微細構造ウイルス分野 教授 野田 岳志
研究課題:
ウイルス侵入受容体膜タンパク質および関連複合体のクライオ電子顕微鏡構造研究
研究成果:
B型肝炎ウイルス感染受容体NTCPの構造を世界で初めて解像した。ウイルスとの高親和性結合に重要なNTCPの残基の配置を立体構造上でマッピングし、感染制御・抗ウイルス薬開発に向けての基盤を築いた。成果はNature誌にて発表した。他に新型コロナウイルスのMタンパク質の構造を解明し、Nature Communications誌に発表した。微細構造ウイルス学分野の最先端クライオ電子顕微鏡を活用して研究を推進した。
研究代表者:
京都産業大学 生命科学部 教授 津下 英明
医生研受入教員:
微細構造ウイルス分野 教授 野田 岳志
研究課題:
リポソームに再構成したIb膜孔のクライオ電子顕微鏡による構造解析
研究代表者:
理化学研究所生命機能科学研究センター 細胞システム動態予測研究チーム チームリーダー 城口 克之
医生研受入教員:
免疫制御分野 教授 生田 宏一
研究課題:
新規末梢循環型iNKT細胞の同定と抗腫瘍・抗ウイルス免疫機能の解明
研究成果:
本研究ではiNKT細胞の不均一性に注目し、新たにCD244+CXCR6+(C2)iNKT細胞を同定した。細胞特異的IL-15欠損マウス、網羅的遺伝子発現解析、細胞動態解析などにより、従来の組織常在型iNKT細胞と異なり、胸腺IL-15に依存して分化するC2 iNKT細胞が循環型細胞であり、抗腫瘍免疫と抗ウイルス免疫において極めて重要な役割を果たしていることを明らかにした。
研究代表者:
京都大学医学部医学研究科 准教授 吉富 啓之
医生研受入教員:
免疫制御分野 教授 生田 宏一
研究課題:
加齢に伴い破綻する新規グループ1自然リンパ球の機能と制御機構の解明
研究成果:
ILC1の不均一性に注目し、マウス肝臓内のILC1を従来型のIL-7R陽性ILC1と新たに見出したIL-7R陰性ILC1に分画した。まず、IL-7R陰性ILC1が肝細胞由来のIL-15に依存して維持されることを明らかにした。次に、scRNA-seqデータの再解析から、マウスIL-7R陰性ILC1と性質が完全に一致するヒトILC1分画は存在せず、マウスに特異的な集団であることが示唆された。
研究代表者:
国立大学法人滋賀医科大学 生化学・分子生物学講座 教授 縣 保年
医生研受入教員:
再生免疫学分野 教授 河本 宏
研究課題:
iPS細胞とゲノム編集を用いた効率のよいがん抗原特異的キラーT細胞の再生
研究代表者:
獨協医大先端医科学研究センター生体防御研究部門 教授 若尾 宏
医生研受入教員:
再生免疫学分野 教授 河本 宏
研究課題:
MAIT細胞を利用した新規がん治療法の開発
研究成果:
マウスMAIT細胞由来iPS細胞(MAIT-iPS細胞)に卵白オバルミン(OVA)を認識するキメラ抗原受容体(CAR)を遺伝子導入し、ここからCARを発現するCAR-reMAIT細胞を分化誘導した。また、ヒトMAIT細胞由来iPS細胞にヒト膵臓がんに特異的であるとされるCEACAM7を認識するCARを遺伝子導入し、CAR-reMAIT細胞の分化誘導を試みた。
研究代表者:
徳島大学 先端酵素学研究所 免疫病態学分野 教授 松本 満
医生研受入教員:
再生免疫学分野 教授 河本 宏
研究課題:
Aire欠損マウスを用いた自己免疫病態の解析
研究代表者:
県立広島大学生物資源科学部生命環境学科 教授 菅 裕
医生研受入教員:
再生免疫学分野 教授 河本 宏
研究課題:
血液細胞の進化的起源の追究
研究成果:
カプサスポラから哺乳類にいたるまで、マクロファージ様の細胞では、転写因子CEBPaが高発現していることが明らかとなり、また、カプサスポラのCEBPaもマウスのCEBPaと類似した機能を呈することがマウス細胞を用いた実験で明らかとなった。また、カプサスポラでのCEBPaの強制発現実験も行い、核内で選択的に発現されていることを確認した。CEBPaノックアウト実験も進行中である。
研究代表者:
京都府立医科大学大学院医学研究科 教授 八木田 和弘
医生研受入教員:
総合生体プロセス分野 教授 近藤 玄
研究課題:
組織形成過程における生体リズム制御系の機能発生学的解析
研究成果:
哺乳類の個体発生過程において、概日時計振動が抑制されている発生初期から中期にかけてもう一つの生物時計である分節時計(体節時計)が機能している。我々は、概日時計と分節時計の相互作用について検討し、概日時計の振動機構が体節形成リズムに干渉し阻害する可能性を示した。本研究は、哺乳類発生過程に現れる二つの生物時計の関係性を初めて明らかにしたもので、発生学に新しい視点を提供した。
研究代表者:
大阪大学 大学院生命機能研究科 教授 長澤 丘司
医生研受入教員:
総合生体プロセス分野 教授 近藤 玄
研究課題:
造血幹細胞ニッチの変容と再生の分子機構の解明
研究成果:
これまでの共同研究により、CAR細胞が造血幹細胞ニッチの主要な構成細胞であることや、CAR細胞に必須の転写因子Foxc1、Ebf3/1を明らかにしてきた。今回、新たに転写因子Runx1/2がCAR細胞に高発現することを見出し、CAR細胞のニッチとしての機能維持に必須であり、特に骨髄の線維化を抑制していることを明らかにした(Omatsu et al., Nat. Commun. 2022)。
研究代表者:
帝京大学先端総合研究機構 教授 月田 早智子
医生研受入教員:
総合生体プロセス分野 教授 近藤 玄
研究課題:
皮膚・毛包におけるタイトジャンクションタンパク質Claudinの役割
研究代表者:
東京大学大学院薬学系研究科 教授 堀 昌平
医生研受入教員:
総合生体プロセス分野 准教授 廣田 圭司
研究課題:
制御性T細胞の不均一性形成メカニズムの解明
研究成果:
本研究では、Tregによる肺の炎症抑制機能に紐付いたTCRクロノタイプについて解析を進めた。Th2型Tregに選択的に発現するクロノタイプがFoxp3 A384T変異マウスにおける肺のTh2型炎症を抑制する活性をTregに賦与すること、Th1型Tregに選択的に発現するクロノタイプがFoxp3と協調的にTh1型Tregへの分化を促進する活性を賦与することを明らかにした。そして、これら2つのクロノタイプについてTCRトランスジェニックマウスを作製するためのベクターを構築した。
研究代表者:
京都大学医学研究科 教授 竹内 理
医生研受入教員:
附属再生実験動物施設 助教 渡邊 仁美
研究課題:
炎症環境における骨髄造血適応を制御する転写後制御機構の解明
研究代表者:
広島大学大学院医系科学研究科 教授 宿南 知佐
医生研受入教員:
バイオメカニクス分野 教授 安達 泰治
研究課題:
線維軟骨性エンテーシスの組織構築・維持におけるメカノ-シグナル連関機構の解明
研究代表者:
東京大学大学院医学系研究科外科学専攻感覚・運動機能医学講座整形外科学 教授 田中 栄
医生研受入教員:
バイオメカニクス分野 教授 安達 泰治
研究課題:
骨代謝治療効果のin silico分析統合基盤による薬剤新規効果の探究
研究代表者:
広島大学統合生命科学研究科 助教 高橋 治子
医生研受入教員:
発生システム制御分野 教授 永樂 元次
研究課題:
配向制御型3次元細胞培養システムを利用した筋・腱複合組織の作製と筋―腱接合部形成機構の解明
研究代表者:
横浜市立大学大学院生命医科学研究科 准教授 禾 晃和
医生研受入教員:
生体膜システム分野 教授 秋山 芳展
研究課題:
膜内プロテアーゼの構造・動態解析を基盤とした基質切断機構の解明
研究成果:
大腸菌由来RsePおよび海洋性細菌K. koreensis由来RsePオルソログのX線結晶構造解析および構造情報に基づく機能解析によって、活性中心を取り囲むように存在する膜表在性のPDZ C-terminal領域や親水性のPDZタンデム領域が基質取り込みの過程で構造変化する可能性が示された。構造変化の作用機序の検証のため、新たな結晶化条件の探索やクライオ電子顕微鏡による構造解析にも着手した。
研究代表者:
自然科学研究機構 生命創成探究センター/基礎生物学研究所 教授 青木 一洋
医生研受入教員:
数理生物学分野 教授 望月 敦史
研究課題:
構造理論と蛍光イメージングを用いた細胞周期ネットワークの統合的理解
研究成果:
分裂酵母の細胞周期ネットワークに関して構造感度解析を行ったところ、複数の緩衝構造を有していることが明らかになった。つまりこの緩衝構造内の分子や活性の変動は構造の外には影響を及ぼさないことを示唆している。これを検証するために、分裂酵母に緩衝構造外の分子を過剰発現させ、理論からの予想通り、緩衝構造外の摂動は緩衝構造内に影響を及ぼさないことを蛍光相互相関分光法(FCCS)により確かめた。
研究代表者:
東京大学大学院新領域創成科学研究科 准教授 木立 尚孝
医生研受入教員:
数理生物学分野 教授 望月 敦史
研究課題:
ヒト初期発生過程における協働的な遺伝子制御ネットワークの大規模推定
研究代表者:
東京都医学総合研究所 副参事研究員 笹沼 博之
医生研受入教員:
幹細胞遺伝学分野 教授 遊佐 宏介
研究課題:
遺伝学的スクリーニングによるDNA損傷修復機構の分子機構解明と疾患標的遺伝子の探索
研究代表者:
神戸医療産業都市推進機構 先端医療研究センター 血液・腫瘍研究部 部長 井上 大地
医生研受入教員:
幹細胞遺伝学分野 助教 青木 一成
研究課題:
BRD9スプライシング異常を利用した合成致死性分子の探索
研究代表者:
North Carolina State University Professor Jun Ninomiya-Tsuji
医生研受入教員:
がん・幹細胞シグナル分野 教授 伊藤 貴浩
研究課題:
How aberrant innate immunity facilitates arising cancer stem cells
研究代表者:
鹿児島大学大学院医歯学総合研究科 教授 奥野 浩行
医生研受入教員:
幹細胞デコンストラクション分野 教授 今吉 格
研究課題:
新規多時点機能的神経回路標識法による大脳記憶痕跡の解析
研究代表者:
東京大学大学院工学系研究科 准教授 平林祐介
医生研受入教員:
幹細胞デコンストラクション分野 教授 今吉 格
研究課題:
連続切片電子顕微鏡画像撮影と深層学習を用いたオルガネラ間接触がマウス成体神経幹細胞の運命制御に果たす役割の解明
研究代表者:
国立感染症研究所エイズ研究センター センター長 俣野 哲朗
医生研受入教員:
霊長類モデル分野 准教授 三浦 智行
研究課題:
サルエイズモデルにおけるCTLの腸管感染防御能に関する研究
研究成果:
これまでの研究を発展させ、SIV Gag/Vif断片連結抗原発現SeVベクターワクチン接種後のSIV経直腸チャレンジで防御効果が認められたサルの解析を継続し、感染防御効果を確認した。本研究結果は、多様性の高いEnv抗原を用いないHIVワクチンで初めて粘膜感染防御効果を示したものとして重要な成果である。一方、SIV感染慢性期のART下におけるiPS由来CTL細胞接種実験を行い、感染免疫動態に関するデータを得た。
研究代表者:
国立研究開発法人 産業技術総合研究所 健康医工学研究部門 研究員 森川 久未
医生研受入教員:
臨床基盤分野 准教授 川瀬 栄八郎
研究課題:
ヒトES細胞と光操作技術による心臓発生と拍動制御機構の解明