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2021年9月14日
ムンプスウイルスによる細胞・組織指向性に関する最新知見

久保田万理恵1,2、橋口隆生3

  1. 九州大学 大学院医学研究院 耳鼻咽喉科学
  2.  Department of Otolaryngology – Head & Neck Surgery, Stanford University school of Medicine, Stanford, CA, USA.
  3. 京都大学ウイルス・再生医科学研究所 ウイルス制御分野

Unique Tropism and Entry Mechanism of Mumps Virus
Viruses 2021, 13(9), 1746; https://doi.org/10.3390/v13091746

概要

ムンプスウイルスは、おたふくかぜ(流行性耳下腺炎)を引き起こし、同時に睾丸炎、卵巣炎、髄膜炎、脳炎、感音性難聴などを引き起こす場合がある重要なヒトの病原体である。おたふくかぜはワクチンで予防できる病気だが、世界中で散発的に発生しており、ワクチン接種率の高い地域でも発生が確認されている。ムンプスウイルスは全身性の感染を引き起こすだけでなく、腺組織や中枢神経系に特異的な細胞/組織指向性を示す。しかし、ムンプスウイルスによるユニークな細胞/組織指向性の基本的なメカニズムはまだ完全には解明されていない。

そこで本研究では、ウイルスと宿主の相互作用に関する最近の研究成果を元に、ムンプスウイルスの細胞侵入機構と病原性についてまとめた。この総説では、特に最近同定された三糖コアモチーフを持つ糖鎖受容体およびウイルス受容体結合糖蛋白質との相互作用に焦点を当てた。また、受容体の構造、生体内分布、および最近同定されたMuVの宿主因子について、ムンプスウイルスによるユニークな細胞/組織指向性との相関性を分析した。

図 ムンプスウイルスによる細胞組織指向性の概略図