
研究分野
臨床用ヒトES細胞株の樹立と活用に向けた基盤研究とその実践
ヒトES細胞及びヒトiPS細胞由来の細胞や組織を用いた再生医療は世界的にも注目され、現在安全性や有効性の確認が行われている臨床試験の段階となっています。私達の研究室では臨床用のヒトES細胞株の樹立、ストック作製と(臨床)研究施設への分配を行っております。同時にそのための必要な基盤技術の開発も行っています。
日本で初めて樹立されたヒトES細胞の位相差写真
写真のようにヒトES細胞の培養にはフィーダー細胞と言われる支持細胞と動物成分を含む培地が用いられており、臨床利用には適していませんでした。ヒトES細胞やヒトiPS細胞を用いた再生医療の実現化には培養基質と培地の開発が不可欠でした。
LM-E8フラグメントを用いた効率的なヒト多能性幹細胞培養法の開発
ヒトES細胞やヒトiPS細胞の培養基質としてマトリゲルが使用されていましたが、再生医療での実用化には適さないという問題がありました。大阪大学の関口教授との共同研究により、Laminin-511が適切であること、そのE8フラグメント(a)が最小構成部位であることを見いだしました。このLM-E8フラグメントを用いると、Matrigelよりも効率よく細胞が増殖、生存、増加することがわかりました(b,c)。このEM-E8フラグメントはiMatrixとして製品化され、世界中で使用されています。
当研究所にある細胞プロセシング室での作業風景写真(左)とこの施設内で樹立された臨床用ヒトES細胞株(KthES11)のデータの一部(右) Stem Cell Research (DOI: 10.1016/j.scr.2020.102020)より一部引用