2024年7⽉17⽇ 【Seminar Series of Lab. of Developmental Systems】臓器発生を制御する代謝システムの探索 |
日時: | 2024年7⽉17⽇(水)13:30 - 14:30 |
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場所: | 医生研1号館1階 会議室 (134室) |
演者: | 高田 望 助教 Northwestern University, Simpson Querrey Biomedical Research Center, USA |
演題: | 臓器発生を制御する代謝システムの探索 |
講演要旨
⽣命の恒常性維持やその破綻である疾患や⽼化の過程で多くの代謝産物が⽣成される。⼀⽅、発⽣における解糖系の破綻は様々な臓器形成不全を導くが、その詳細な分⼦背景はよくわかっていない。私はこの15年間、神経発生メカニズムを解明するためマウス遺伝学を⽤いた基礎研究と、その知⾒に基づく多能性幹細胞から臓器形成を実現するオルガノイド科学技術の開発に取り組んできた。近年オルガノイドを用いた代謝システム解析ツールによりエネルギー代謝と独立した発生過程を制御する機序を発見した。具体的には、個体グルコースイメージングおよびメタボライト追跡法により神経網膜特異的に解糖系の活性が高いこと、マウスおよびオルガノイドの解糖系変異体で眼の形成不全を導くことを示した。その分子背景として、かつては老廃物とされていた乳酸がHDAC依存的にエピゲノム修飾を制御し、発生プログラムと相互作用する結果を得た。本セミナーでは以上の成果から明らかになりつつあるエネルギー依存的経路(古典的)と⾮依存的経路(⾮古典的)の役割に関しても議論したい。
問い合わせ先:永樂元次 (医生研 発生システム制御分野 eiraku[@]infront.kyoto-u.ac.jp)
【ポスター】Seminar Series of Lab. of Developmental Systems 臓器発生を制御する代謝システムの探索(高田望 助教)