| 2026年9月15日 皮膚常在真菌マラセチアの新たな病原メカニズムを発見―乳酸菌が腸管バリア障害を軽減する可能性― |
Pathogenicity and intestinal barrier disruptive ability of Malassezia furfur in an alternative model host Caenorhabditis elegans is partially alleviated by Lacticaseibacillus rhamnosus
Chiho Kishida, Kanamu Chikuba, Chinatsu Yamamura, Himari Kanatani, Ayano Tsuru, Satoka Takabayashi, Xueyang Wu, Misaki Okahata, Yoshihiko Tanimoto, Eriko Kage-Nakadai.
FEMS Microbes
概要
大阪公立大学大学院生活科学研究科 岸田千穂 修士課程学生(研究当時)、京都大学医生物学研究所 谷本佳彦 助教、中臺(鹿毛)枝里子 教授らの研究グループは、皮膚常在真菌として知られるマラセチア・フルフル(Malassezia furfur)について、代替モデル宿主として線虫(Caenorhabditis elegans)を用いた解析を行い、その病原性の一端を明らかにしました。
その結果、マラセチア・フルフルは線虫の寿命を短縮させるだけでなく、腸管バリア機能を障害することが判明しました。また、遺伝子解析の結果、生物が病原体から身を守るために持つ「自然免疫」の働きに関わるNSY-1/SEK-1経路が、マラセチアに対する防御に重要な役割を果たしていることが分かりました。さらに、乳酸菌の一種であるLacticaseibacillus rhamnosusを与えることで、マラセチアによる寿命短縮や腸管バリア障害が部分的に軽減されることを発見しました。
本研究は、マラセチアと宿主との相互作用の理解を深めるとともに、乳酸菌を利用した新たな予防・治療戦略の開発につながる成果として期待されます。
本研究成果は、2026年9月8日に英国の国際学術誌「FEMS Microbes」にオンライン掲載されました。
詳細は京都大学のホームページをご覧ください。
