
研究内容
ウイルスの病原性解明とウイルス感染症に対する予防・治療法開発
感染症は今なお世界中の子どもたちの脅威となっています。この問題を解決するため、私たちは小児関連のウイルス感染症の研究を行っています。特に、ウイルスの細胞侵入機構および化合物・ペプチド・糖鎖・抗体による侵入阻害機構の解明に注力し、ウイルス学的手法と構造生物学的手法を組み合わせたアプローチで研究を進めています。主要研究項目としては、ウイルスの病原性の解明とウイルス疾患に対する予防・治療法開発の2つが大きな柱となっています。
ウイルス糖蛋白質の構造とウイルス感染細胞
ウイルス感染による病原性発現のメカニズムと、ヒトの免疫系がウイルス感染に対抗するメカニズム、この両方を解明することを目指して、分子生物学・生化学・物理化学的手法やウイルス学的手法、構造生物学的手法を組み合わせて研究を行っています。機能解析では主にリバースジェネティクス法や変異導入を、構造解析では主にX線結晶構造解析とクライオ電子顕微鏡構造解析を用いて小児関連のウイルス感染症を中心に研究を行っています
ウイルス性疾患に対する予防・治療法開発
研究項目1の成果を基に、蛋白質の構造に基づいてワクチン開発の基礎研究や治療用抗体・化合物・ペプチドを開発する研究も行っています。特に新規の抗体作製法の開発に力を入れて研究を進めています。抗体は標的分子に対する特異性の高さから医薬品としての注目度も非常に高いです。対象はRNAウイルス感染症(特に麻疹、ムンプス、コロナ、BSL4関連ウイルスなど)。